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■ポルトガル2007 ナザレ -Jul/16/2007- |
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今日はナザレへ向かう。昨日に引き続き朝から曇りがちである。
ローカル列車を乗り継ぐこと3時間、無人の小さな駅にたどり着く。ナザレの最寄駅は、Valadoという駅である。駅前には一軒のカフェがある以外は人通りもない。ナザレの市街地まではバスで10分とのことだったので、地元のおばちゃんと一緒に30分程バスを待つ。

バス停で待つこと30分。地元のオジサンやオバサンは待つことすら楽しんでお喋りしている。
人の往来がなくて犬もヒマそうである。 駅前のカフェ。
ここは漁師の町。ホテル(Mare:マレ)にチェックインした後、まずは町を一しきり歩く。細い路地には子供達が遊び、洗濯物が翻る。また、古くからの民族衣装であるチェックのスカート、頭にスカーフという出で立ちオバサンも多く見られる(ちなみに未亡人は黒い服というのも伝統らしい)。リスボンと較べるとすっかり田舎風情で、歩いていて楽しいものである。


民族衣装をまとい、頭に荷物を載せて歩くオバサン ここは漁師の町

これから向こうの崖の上へケーブルカーで登るのです
さて、ここナザレは実は田舎の漁師町であると同時に真っ青な海が売り物のリゾート地でもあるのだ。こんな灰色の空じゃなくて、青い海と青い空がないことには始まらない。ケーブルカーでシティオ地区の高台に登ると、外れに見晴らしのよさそうなカフェがあった。町と海を一望できる。陽気な店員もいる。ここでグリーンワインを飲みながら雲が晴れるのを祈ることにする。
こうしてワインを飲みながら空ばかり眺めていると、西の大西洋の彼方の方から、徐々に雲が切れていくのが分かる。テレビも気象衛星も無かった時代、人々はこうして空を眺めながら明日の天気を予想したのだろうか・・・。

崖の上へ来ました。左下に見えるのがさっきまでいた町。でもまだどんよりした空模様・・・晴れろ!

こんな崖っぷちにまでよく家を建てますな

眺めの良いところにいい感じのカフェを見つけた。すっきりしてて喉ごしが爽やかなグリーンワイン(vinho verde)。

カフェにて。フランス?の方から観光に来ていた家族

陽気な店員に絡む少年

そんなこんなで西の空を見ると・・・雲が晴れてきているではないか・・・!
ところで昨日からハマっている「グリーンワイン(vinho verde)」だが、別に緑色をしているわけではない。グリーンワインの中にも「赤」と「白」がある。「グリーンワイン」というのは、完熟していない若いブドウから作られたワインのことで、酸味と若干の発泡性が特徴である。またアルコール度数は10度前後とやや低い。赤、白いずれもキンキンに冷やして飲むのが一般的で、普通のワインより喉越しが良く後味が非常にすっきりしているので、暑い午後の散策の合間にキュッと飲むともう最高である。日本でも売れると思うのだが、あまり見た事がないような。
そうこうして午後7時を過ぎても雲が晴れないため、一度ケーブルカーでプライア地区へくだり、ホテルのレストランで夕食をとって様子を見ることに。4階にあるこのレストランからは、海も空も見渡せるため、天候の具合を見るにはちょうどよい。助手兼妻のKはこのレストランのウエイターのおじいさんがすっかり気に入ってしまった様子。本当に陽気でかわいらしいおじいさんである。ついついワインも進んでしまう
さて、午後8時半を回ろうかという頃、雲はまだ上空に居座っているが、幸いにも西の空の方では夕日がすっかり顔を出してナザレの町をオレンジに照らしつつある。レストランのおじいさんに別れを告げ、再びケーブルカーで高台に登る。
白壁をオレンジに染めたナザレの町と赤く染まった空と海の織りなす雄大な風景に出会うことができた。さらに、大西洋に沈んでいく真っ赤な夕日というオマケ付きで。真っ赤な、真っ赤な、大陸の西の果てに沈んでいく夕日。かつて大航海時代の船乗り達が夢に見た、新たな大陸の方へ沈んでいく夕日。
ああ、海岸へ下りていく緩やかな坂道を夕日を追って駆け降りていくなど、まるで少年時代に戻ったかのようである。

陽が差してきた!


この夕日を追いかけて走りました。大西洋に沈む夕日。
そういえば雑感だが、カフェのお兄さんにしても、レストランのおじいさんにしても、いかにも西洋系の顔をしていながらほとんど英語を話せないというのが不思議でしようがない。まあ当たり前といえば当たり前だが。
明日はポートワインの故郷、ポルトへ向かう。
撮影機材:オリンパス E-410
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