アジサイがきれいだった。でも7月はポルトガルでもっとも雨の少ない時期。
朝から胸のすくような青空。待ちに待ったロカ岬リベンジの日にこんな好天に恵まれるとは・・・!
まずは現在地ポルトからリスボンまで移動し、リスボンからローカル線に乗り継ぐことになる。
ポルトガル国鉄が誇るAlfa Pendularは最高時速220km超、ポルトーリスボン間を2時間45分で結ぶ。新幹線的な位置付けだと思うのだが、線路的には普通の在来線と同じ線路を使っている。これで時速220kmも出して大丈夫なのだろうか。カーブで異常に揺れるのだけは勘弁していただきたい。
ポルトガル版新幹線?Alfa Pendular
時速225kmを目撃。
12時半頃リスボンに到着、一旦ホテルBERNAへチェックイン後、ロカ岬へ向かう。
エントレカンポス駅からシントラ行きのローカル線に乗り、シントラからロカ岬経由カスカイス行きのバスに乗車。先日はそうでもなかったのだが、バスの運転が異常にアグレッシブである。狭いヘアピンコーナーをグイグイ攻めて行く。さらに、バス停で止まると、乗客に切符とお釣りを渡しながら既に発車している。乗車して席に着こうとするおばあちゃんが右の人から左の人へと倒れかかりながら移動している。帰りも同じだったので、きっとこれが普通で、前回は雨のせいでおとなしく走っていたのだろう。しかしおばあちゃん、右から左へ倒れかかりながら、顔はにこやか。懐が深いぜ、ポルトガル人。
14時45分頃、ロカ岬到着。この時間でも、太陽は日本の夏の正午過ぎのように高い位置にある。
青い空のかなり高い高度に、刷毛で引いたような白い雲が薄く流れている。海は断崖から沖へ向かうにしたがってエメラルドブルーから濃紺へと色を変えていく。そして断崖の遥かかなたまで続く緑色の大陸。
前回がいかに雨と霧だったとはいえ、同じ場所へ来たとは信じがたい光景にしばし絶句。
「ああ、ロカ岬って本当はこんなところだったのか」
と思わざるを得ない。ユーラシアの西の果てはかくも美しいのか。
ある意味、二つの表情のロカ岬を見ることができたのは、貴重だろう。一見さんの旅行者ではそのような幸運に恵まれることはそうそう無いに違いない。
やっと会えた!快晴のロカ岬!
満願かなったりの想いでリスボンへ戻る。そして最後の晩餐は、カーザ・トランスモンターナというポルトガル北部の郷土料理でもてなすレストランへ。ここで、満願に上塗りするように、念願の「タコのリゾット」に巡り合うことができた。「ポルトガル人はタコを良く食う」という噂と、我々のリゾット好きを掛け合わせて、「タコのリゾットをどうしても食いたい」という漠然とした想いを抱いて来たが、運良く最終日の夜に叶えることができた。もちろん味も期待以上。オブリガード。ちなみに何軒かのレストランで「リゾットはあるか」と聞いてみたが、提供していない店は意外と多かった。
さらにこの店で、初めて「グリーンワインの赤」を飲むことができた。赤といっても、そこはさすがグリーワイン。非常にさっぱりしていて、ギンギンに冷えた液体が疲れた身体にすっと染み込んでいく。
ところで、この店ではワインを共にマグカップが運ばれてきた。ワインをマグカップで飲むのが北部ポルトガルの習慣らしい。
坂道に張り付くように並ぶレストランとテーブル グリーンワインの赤。撮影時には既に半分くらい飲み干され・・・
待望の「タコのリゾット」!
旅を振り返って乾杯 ワインをマグカップで飲むのが、ポルトガル北部の習慣
満タンの腹をかかえて地下鉄に乗りホテル・ベルナへ戻る。明日は日本への長い道のりを戻ることになる。この旅を振り返ってみると・・・
当初の目的どおり、「昼間からワインを飲んでブラブラする」を地で行った感じの旅であった(ただし、筆者は実際は青空からふりそそぐ陽光のためワインではなくついついビールに・・・)。
青い空と太陽、坂道、白い壁、赤い屋根、そしてワイン(とビール)の旅、癖になりそうである。しかしヨーロッパは高くつくなあ。。。
−ポルトガル日報2007 完−
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